関係 II
泊まり慣れたアパホテル。基本的には禁煙ルームを借りる。喫煙の度に表に出て吸うので面倒と思うかもしれないが、深夜の外気は心地よく、いいリフレッシュになる。今日のような眠れない日には。
新店舗のオープニングであるこの週は、長かったようで短かかった。グランドオープンの日には飛び上がるような売上があり、これまで半信半疑であったものは確信へと変わった。
と同時に、自分の美術への無知を痛感している。当たり前といえば当たり前であるが、この業界に踏み入れて半年も経っていない。それは人間でいえば赤ん坊であり、自分の足で立つどころか、ハイハイもおぼつかない。
後輩のAの展示へ行ったが、共に展示していた学生から教えられる事も多く、これもまた無知を痛感したと共に、感謝している。
Aに会うのは久々で、耳のイヤーカフと前髪のカラーリングが印象的だった。Aのご両親もいらっしゃり、多少差し出がましかったが、ご挨拶が出来て良かった。
展示以外では全くノープランであった。
突然寂しくなってしまい、前々から名古屋にいると聞いていた、大学の学科の同期のNちゃんに電話した。
すると展示会場から1kmほど南の今池という所におり、一緒に飲んでくれることに。
焼肉屋に入り、近況の話などをして、2軒目はバーに行くことに。その間に赤べこのストラップが付いた傘をお借りし、マスクも2枚頂いた。
Nちゃんは僕がジャズが好きということで、そういった感じのお店に連れて行ってくれた。
バーからは3時間くらい話したと思う。恋愛の話とか家族の話、仕事の話。充実していた。
(初タバコを吸わせてしまったのは申し訳なく思っています。ごめんなさい)
Kさんとの京都案件は台風などもあって流れてしまったが、また会いたい。
最近知り合った弁護士にインスタ見せてと頼まれ、見せたら、女性関係には気を付けろと言われたことが印象的に残っている。
しかし僕は一線を超えないようにしている。僕のトラウマであるKの件を繰り返したくない。
NちゃんはKと同じ学生団体にいた事もあってKの近況を伺ったが、聞いている内に心がきゅーっとなって、どす黒くなるのを感じた。僕の人生でKは本能的に受け付けなくなってしまった唯一の人である。
いつか癒えるのだろうか。
Nちゃんに僕の彼女の話をしていたら、また会いたくなった。またMさんのバイオリンが聞きたい。
ようやく眠くなったのでこの辺で切り上げる事にする。