所感

生活の所感を投稿します。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【小説】児玉マキの宿敵

※この物語はフィクションであり、実在する人物・団体とは無関係です。 武死大学では教授が死亡した場合、履修者全員が最上位の成績、Sになるシステムだ。あたしらはそれで食ってる。 最近、同業者の中のうわさで聞いた。教授を守ることを任務とする、殺し屋…

【?】児玉マキの爆破

※この物語はフィクションであり、実在する人物・団体とは無関係です。 武死大学では教授が死亡した場合、履修者全員が最上位の成績、Sになるシステムだ。あたしらの食い扶持はそういった依頼。 今日の依頼は大口シンジケートからの受注となった。シンジケー…

【小説】児玉マキの葛藤

「依頼なんだろ、僕を殺してよ」 藤井裕迫(ふじいゆうさこ)は弾切れした拳銃を力なく落とした。一歩前に進み、手足を広げ、仁王立ちする。ビルの屋上には壁面に吹き付けられた風が巻き上がり、ビル風となってその男のジャケットをはためかせた。5メートルの…

【小説】児玉マキの日常

武死大学では教授が死亡した場合、履修者全員が最上位の成績、Sになるシステムだ。あたしらはこういったニッチな需要で存在できる。 ガンオイルを塗ったスワブを銃口から通す。ガンパウダーの残りカスをふき取るとスライドを戻し、弾倉を込めておく。あたし…

【小説】バトルロイヤル大学 ②

前回 「これっぽっちじゃどうしようもないっすね」 「仕方ない、とりあえず飲むか」 現在7号館3階、ぬるいレッドブルを一気に飲み干すと、適当なデスクの上に放り投げた。カシャ、と音を立て残り汁を垂らしながら転がり、床に落ちた。 「6号館に移動するか。…

【小説】バトルロイヤル大学 ①

正面60メートルに移動する二人の敵影が見えた。俺は自販機に隠れながらMP5のセーフティを解除すると3点バーストモードに切り替え撃った。秒速360メートルで飛翔する弾丸は彼らを掠め、コンクリートの壁面に激突しパチンという音が弾けた。この発砲音で敵がこ…

【小説】My Girlfriend,Who Is ④

前回 「海と鳥と言えば、近場で言えば横浜、みなとみらいじゃないか? お前達が良く行ってたあの公園なんかどうだろう」 「なるほど。新田、お前にしては良い線いってるかもしれない。たしかに手がかりはこれしかないような気もする・・・。今から行けるのか?…

【詩】No Place To Hide

ふさしい終焉、鳥になりたい2.52秒間、82.34kmで空を飛ぶ 僕自身と相対したとき もはや隠れる場所はない 鳥になりたい より高い場所から世界を観測する 世界は濁流のようだ 手漕ぎのボートでは物足りない オーロラのような流線が見える それは世界中を覆い尽…

【小説】My Girlfriend,Who Is ③

前回 subject:無題 『わたしを探して。わたしはMOTにいます』 「ふーん、そう来たか」 知らないアドレスから送られてきた一通のメール。無題のタイトルに短い一文、これは朋子から送られてきたのだろうか? 今時メールなんて紙媒体と同じくアンティークなも…

【エッセイ】自殺について

物騒なタイトルだけど今現在は特に絶望しているわけではなく、病んでるわけでもない。ましてや、錯乱しているわけでもない。人に言わせれば病んでるのかもしれないが、それはそうかもしれない。 先人達の解釈は置いておいて、あくまで主観的に自殺について述…

【小説】屋上のりんご頭のうさぎ

僕は人生の潮時を悟った時から死の境界線が見える。道路を通過する大型車の前面、ホームの黄色い線の外側、非常階段の手すり、すべて赤いフレームとして視覚可されるんだ。 「死ってなんだろう、ミサ」 人智を尽くしても死の外堀を埋める事は出来ても核心に…

【小説】My Girlfriend,Who Is ①

1 近未来、サイバネティック技術が急速に発達し、かつて携帯電話やスマートフォン、スマートグラスといった類いの外付けデバイスはオーギュメント社による人体に流れる微弱な電流を電源に、手のひらの上にホログラフィック展開されるスマート・リングに急速…

【小説】My Girlfriend,Who Is ②

前回 2 「僕は鳩羽翔太と言います」 最寄りの明大前駅まで歩く10分の間、自己紹介をし、愛理さんについて軽く話を聞いた。吉祥寺の携帯キャリア店に勤めている事、高校時代は吹奏楽部で共にクラリネットのパートであったこと、朋子とは良く映画を観たり食事…

【小説】テロリズム大学

「ここまでかぁ、さよなら」 そうつぶやくと僕はAR-15から両手を離した。自重で落下した金属製の筐体がコンクリートの地面に激突し、ガチリ、という音が響いた。 コルト・ガバメントの減音器(サプレッサー)を左に回し地面に落とすと、銃口を咥える。血の味が…

【小説】My Girlfriend,Who Is ①

1 22世紀初頭、サイバネティック技術が急速に発達し、かつて携帯電話やスマートフォン、スマートグラスといった類いの「外付けデバイス」はオーギュメント社による人体に流れる微弱な電流を電源に、手のひらの上にホログラフィック展開されるスマート・リン…